Turkish.Style KEBAB

移動販売のケバブ屋のブログです

ファイター

 

年が明けて間もないある日の事

私は、あまり仕事が無いというネガティブな理由から、

近所の公園を散歩していました。 不審者!

 

 

 

そこはとても大きな公園で

散歩をしている犬や猫、鳥、人間・・

様々なバリエーションの動物達がいて、

ただウロウロしているだけの暇人(私)を飽きさせません。

 

 

散歩をしているだけでもとても楽しく

ついつい何時間も歩き回ってしまいました。

実は公園内で出口を見失ってしまい、

何時間も迷っていただけなのはナイショです。

 

 

さ迷っている内に広場の様な場所に到着しました。

するとそこに

牛のような模様の猫がいました。

 

近づいても全く逃げる事はありません。

どうやらかなり人に慣れている様子です。

 

 

可愛いなぁと思い

撫でようとすると避けられました

 

 

その避けた動きというのが、

その場から1歩も動くことなく、

手が触れる直前に

フッと身を落として動きをかわすという、

高等テクニックだったのです。

 

 

あまりにナチュラルな動きで猫が避ける為、

私は当初、避けられた事にすら気づきませんでした

 

 

 

 

気だるそう雰囲気の猫だったし、

その場から逃げ出す事も無く

避けられるとは思いもよらなかったのです。

 

猫に避けられている事に気づかない私は、

何度かトライしてみましたが、結果は同じでした。

 

ちょっと深めに手を伸ばしてみても、

お前動きは見切っているよ、と言わんばかりにギリギリでかわす猫。

この間、猫は1歩たりとも、動いていません。

それなのに、猫の毛の先に触れる事すら出来ないのです。

 

あ!嫌がってる、と気づき やっと!

最後にもう1度トライしてみましたが、

やっぱり避けられました。

 

猫を撫でる事は諦め、

近くにあったベンチで休憩する事にしました。


私が休んでいると、

のんびりとした動きのお婆ちゃんがやって来ました。

 

そしてお婆ちゃんも、猫を撫でようと手を伸ばしています。


しかし猫はやはり、

お婆ちゃんの手が触れる直前、

無駄の無い動きでお婆ちゃんの手をかわします。

 

最低限の動きで相手の攻撃をかわす、とか

格闘マンガの世界だけだと思っていました。

ちょっとカッコイイ

 

”平凡なコーチでも10人のファイター(攻撃型選手)は作れるが

 有能なコーチでなければ1人のテクニシャン(防御型選手)は作れない”

 

 

明日のジョーでおっちゃが言っていたセリフが浮かびます。

 

『あんた、世界狙えるよ』


触れもしなかった癖に

若干の上から目線で、猫に熱い視線を送っていると、

 

避けたはずの猫を

お婆ちゃんが無理やり撫でていて

本当に驚きました。

 

そう、私が何度トライしても

かすりもしなかった猫の動きを

のんびりとしたお婆ちゃんが1発でとらえていたのです。

 

私は、あの猫の凄さを身をもって知っています。

そしてその猫を1発で捉えているお婆ちゃん。

 

一見、公園で猫をなでるお年寄りという、

とても微笑ましい光景ですが

これはとてつもない高度なテクニックを持つもの同士の攻防なのです。

 

この一連の出来事を

後にオーナーに話して聞かせたところ、

 

「ふふっ(∵ )♪」

と、凡人丸出しなリアクションをしていました。

 

こんな反応をしているオーナーでは、

あのお婆ちゃんはおろか、

猫からしたって取るに足りない相手でしょう。

 

つまり、勢力図で表すと

 

のんびりとしたお婆ちゃん > 気だるそうな猫 > オーナー ≧ 私

 

こうです。

 

猫にかすりもしなかった私や、凡人なオーナーです。


例えば

あのお婆ちゃんとバトルを繰り広げる様な事態になったとしても、

何が起こったのか分からないまま

お婆ちゃんに倒されている事でしょう。

 

お婆ちゃんと闘う予定はありませんが。